フレコンバッグとは?種類・選び方・用途別おすすめを徹底解説【建設・産廃・災害対策】

フレコンバッグとは?種類・選び方・用途別おすすめを徹底解説【建設・産廃・災害対策】

2025.11.05

建設現場・解体工事・産廃処理では、土砂や廃材、粉体などを安全かつ効率的に搬送・保管するためには「フレコンバッグ(トンバッグ)」が欠かせません。


一見どれも同じに見えるフレコンバッグですが、形状(丸型/角型)や吊り仕様、投入口/排出口、耐候性、粉漏れ対策など用途に合わせた選定が重要です。


適したタイプを選ばないと「底が抜けた」「粉が漏れる」「吊りにくい」「屋外保管で劣化した」といったトラブルにつながることも。


本記事では、現場でよく使うフレコンバッグの特徴と選び方、用途別のおすすめ商品をご紹介します。現場で「これなら安心」と選べるよう、ポイントをわかりやすくまとめました。

 

 

フレコンバッグとは

フレキシブルコンテナバッグの概要

フレコンバッグとは、フレキシブルコンテナバッグ(Flexible Container Bag)の略称で、
 土砂・砕石・木くず・産業廃棄物・粉体などを大量に運搬・保管するための大型袋です。


建設現場、解体現場、産廃処理場、工場、農業、災害対応など幅広い場面で使用され、
 「トンバッグ」「トン袋」と呼ばれることもあります。

 

✔  粒状・粉状から廃材まで対応
✔  大容量(数百L〜1tクラス)
✔  フォークリフト・クレーンで運搬

 

保管や移動の効率化に優れており、仮置きや搬入出をスムーズにする定番資材です。

 

丸型が一般的な理由(製造・耐久性)

フレコンバッグの基本形状は丸型(筒状)が主流です。これは製造工程で円筒状に生地を織る方式が採用されているためです。

 

丸型が選ばれる理由:

 

  • ・縫製箇所が少なく強度が高い

  • ・負荷が均等にかかり破れにくい

  • ・コストを抑えられる製造方式

縫い目が少ないほど、重たい内容物でも裂けにくく、現場での安全性が高いのが特徴です。角型タイプもありますが、丸型は標準型=迷ったらこれという安心感があります。

 

吊りベルト構造(底まで回して荷重分散)

フレコンバッグは、フォークリフトやクレーンで吊り上げて運搬します。その際に重要なのが吊りベルト(吊り耳)の構造です。吊りベルトは袋の底まで回り込むように縫い込まれた設計になっており、この構造によって袋全体で荷重を分散させ、重い荷物でも破れにくくなります。

 

  • ・底まで回ったベルト構造 → 荷重分散

  • ・2点吊り / 4点吊り → 機材や現場に合わせて選択

  • ・ベルト幅が広いほど強度と安定性が高い

ポイント
ベルトの仕様は“安全性”に直結するため、
用途に応じた耐荷重・形状を選ぶことが重要です。

 

呼び方の違い:フレコンバッグとトンパック

呼称の背景と使い分け

 

フレコンバッグは、現場によってさまざまな呼び方をされています。

  • ・フレコンバッグ(正式名称)

  • ・フレキシブルコンテナバッグ(英語名)

  • ・トンバッグ

  • ・トンパック

  • ・トン袋

呼称は異なりますが、基本的には同じものを指します。建設現場や産廃業界では、会話の中で「トンパック」「トン袋」と呼ばれることが多く、一方、購入・調達の場では「フレコンバッグ」が一般的な表記です。

 

現場=トンパック/トン袋

発注・カタログ=フレコンバッグ

 

という形で状況に応じて呼び分けられていると考えると分かりやすいです。

 

「1トン袋」=大型フレコンの現場呼称

「トンパック/トン袋」は、“1トン程度の荷重に対応する大型袋”として現場で呼ばれていることが由来とされています。

ただし、実際には、

 

  • ・180L〜1000L以上のサイズがある

  • ・400kg対応タイプも存在する

  • ・粉体専用・水切り用・耐候タイプなど用途別が増加


など、容量・仕様は多様化しています。
そのため、選定時は呼び方ではなく、


  • ・容量(L)

  • ・耐荷重(kg)

  • ・形状(丸型/角型)

  • ・投入口/排出口

  • ・ベルト構造

  • ・耐候性


といった仕様で判断することが重要です。「トン袋」と言われたら=大型フレコンのこと
 ただし性能は製品ごとに異なる→ 商品仕様を確認して選びましょう

 

フレコンバッグの用途

フレコンバッグは、多様な資材や廃材を安全・効率的に保管・運搬できるため、多くの業種で使用されています。特に建設分野では標準的な搬送資材です。
以下、代表的な用途を紹介します。

 

土木・建設(残土・砕石・解体材)

建設現場で最も使用される用途です。

 

  • ・残土・汚泥

  • ・砕石・砂利・砂

  • ・コンクリートガラ

  • ・解体材(木材・瓦材など)

大量の搬出が想定されるため、1tクラスの丸型や角型がよく使われます。
現場間移動や仮置きに適し、作業効率を大きく向上させます。

ポイント
屋外で長期保管する場合は、耐候タイプが安心です。

 

産廃・スクラップ

産業廃棄物・金属くずの収集・運搬にも最適です。

 

  • ・鉄くず・スクラップ

  • ・木くず

  • ・ガラス片

  • ・混合廃材

吊り下げ・搬出が多いので、4点吊りや角型が安定しやすい傾向があります。
反転ベルト付きタイプは、排出作業がスムーズになります。

 

粉体・樹脂ペレット

粉状・粒状の資材にも使用されます。

 

  • ・樹脂ペレット

  • ・セメント・石灰

  • ・粉末化学品など

粉漏れを防ぐため、内袋付き・2重構造・ラミネート加工タイプが安心です。排出口付きなら充填・排出が効率的。粉体用は「漏れ対策」「湿気対策」が重要です。

 

農業・穀物

農業分野でも活躍します。

 

  • ・玄米・麦などの穀物

  • ・肥料・飼料

  • ・農作物残渣


保管と輸送を兼ねた用途に使われ、通気性タイプや小容量タイプも活躍します。

 

災害対応・備蓄

自治体や建設会社の防災備蓄でも利用されています。

  • ・災害廃棄物の一次保管

  • ・土のう代替(大容量)

  • ・避難所や公共工事の備蓄倉庫

屋外設置が多いため、耐候性フレコンが選ばれます。
✔災害現場では「黒・UV加工」が選ばれる傾向があります。

 

用途まとめ

フレコンバッグの選び方

フレコンバッグは見た目が似ていても、用途に合わせて最適仕様を選ぶことが重要です。
 用途と違うフレコンバッグを選んでしまうと…

 

  • ・フレコンバッグの破れ、粉漏れ

  • ・吊り作業の手間、不安定さ

  • ・屋外保管での劣化

  • ・排出作業の手間、作業遅延

といった現場負担や事故につながります。
 ここでは、失敗しないフレコンバッグの選び方を整理します。

 

容量(180L〜1000L)と用途の選び方

フレコンバッグは容量によって適したシーンが変わります。

✔ 迷ったら1,000L×1t耐荷重のフレコンバッグが基本
 狭い現場・粉体・重い素材なら小容量高強度タイプが便利です。

 

丸型と角型フレコンバッグの違い

✔ 丸型=耐久性重視/重量物向け
✔ 角型=作業効率・スペース効率重視

 

吊りベルトの種類(2点/4点/ベルト幅)

吊り方式で扱いやすさが大きく変わります。

✔ ベルト幅が広いほど荷重分散が良く、フレコンバッグの破損リスク低減

 

投入口/排出口/反転ベルトの仕様

充填・排出で仕様が変わります。

✔  木くず・軽量廃材 → 反転ベルト付フレコンバッグ
✔  粉体・ペレット → 排出口付フレコンバッグ

 

粉漏れ対策(内袋/2重構造/加工)

粉体用フレコンバッグでは漏れ防止が必須です。

「粉が漏れる…」→ 仕様選定ミスが多いです。

 

耐候性(屋外保管・耐UVタイプ)

屋外保管するなら耐候性フレコンバッグが必須。

 

  • ・UV耐候加工

  • ・黒色生地

  • ・3年耐候など長期対応

通常フレコンバッグを屋外放置すると劣化→破損事故に直結

 

ワンウェイ/再利用判断基準

基本はワンウェイフレコンバッグですが、再利用可もあり。

チェックポイント:

 

  • ・吊りベルトの摩耗

  • ・本体生地の裂け・穴

  • ・紫外線劣化

  • ・汚れ・衛生面

✔   安全最優先、迷ったら新品フレコンバッグへ

 

フレコンバッグ選び方まとめ

正しいフレコンバッグ選びが安全性と作業効率を左右します。

 

用途別おすすめフレコンバッグ

用途に応じて、最適な仕様のフレコンバッグをご紹介します。容量、形状、排出口、反転ベルト、耐候性能など、現場で求められるポイントに合わせてセレクトしています。

 

① 標準タイプ|丸型 1,000L(1t)

迷ったらコレという基本タイプ。
 残土・砕石・廃材・産廃など幅広く使えるスタンダードモデルです。

特長

  • ・丸型で強度が高い

  • ・1tまで対応

  • ・フォークリフト・クレーンで扱いやすい

  • ・折りたためて保管省スペース

向いている用途

  • ・建設残土

  • ・砕石・砂利

  • ・産廃回収

  • ・工事現場の仮置き

👉 商品:丸型 1100×1100/10枚入

 

② 角型スタンダード|排出口あり 1,000L

角型+排出口付きで、
 「入れやすい・出しやすい・積みやすい」万能タイプ。

特長

  • ・角型で自立性高め

  • ・下部排出口で排出がスムーズ

  • ・1t対応で重い内容物にも

向いている用途

  • ・樹脂ペレット・粉体

  • ・廃材・スクラップ

  • ・倉庫内作業

  • ・パレット積載

👉 商品:角型 900×900×1200/排出口

③ 反転ベルト付き|角型 1,000L

重機で一気に排出したい現場に最適。

特長

  • ・底を反転して一斉排出

  • ・角型で保管効率が高い

  • ・木材・古紙にも◎

向いている用途

  • ・廃材撤去

  • ・木くず・紙くず

  • ・ペットボトル・缶回収

👉 商品:反転ベルト付き角型 1000L

④ 小型自立タイプ|180L 400kg

狭い現場や手運び作業に便利な小型&自立タイプ。

特長

  • 自立ワイヤー入り

  • 手運び可能

  • 小回り重視

向いている用途

  • 造園・剪定くず

  • 工具や備品収納

  • 重機が入れない場所

👉 商品:自立型 180L 400kg

 

⑤ 小型×高強度|690L/1t

小型なのに1t対応
比重の高い資材に向いたハイスペックタイプ。

向いている用途

  • 金属スクラップ

  • 砕石・砂利(高比重物)

  • メッシュボックスに合わせて使用

👉 商品:690L角型

⑥ 耐候タイプ(屋外用)|丸型 1,000L

屋外保管&長期使用に対応した耐候仕様

向いている用途

  • 外部ストックヤード

  • 災害備蓄

  • 土のう代替

👉 商品:耐候性3年タイプ

 

⑦ 粉漏れ防止タイプ|450L

粉体に強い二重構造モデル。

向いている用途

  • 粉末原料

  • 乾燥材

  • 粉体廃棄物

👉 商品:粉漏れ防止 450L

⑧ 水切りタイプ|1,000L

汚泥処理に便利なメッシュ仕様

向いている用途

  • 汚泥・スラッジ

  • 産廃脱水

  • 野菜の水切り(農業)

👉 商品:水切りバッグ

 

⑨ ドラム缶用|200L

200Lドラム缶にセットして使える専用タイプ

向いている用途

  • 金属粉・廃液固形物

  • 粉漏れ・飛散防止に

👉 商品:ドラム缶用 200L

 

正しいフレコンバッグの使い方と安全ポイント

フレコンバッグは現場で非常に便利な資材ですが、
 誤った使い方をするとフレコンバッグの破損や落下事故につながることがあります。
ここでは、フレコンバッグを安全に使用するための基本ポイントをまとめました。

 

フレコンバッグの充填方法

安全にフレコンバッグへ内容物を充填するための基本手順です。

 

  • 1.フレコンバッグを安定した平らな場所に設置する
    2.フレコンバッグの投入口を開き、外側に折り返して口元を確保
    3.内容物を偏りなく均一に入れる
    4.定格容量・耐荷重を超えない
     → 例:1tフレコンバッグ=1,000kgまで
    5.上部をしっかり結束し、内容物がこぼれないようにする

注意
 角ばった金属片・鋭利物はフレコンバッグ生地の破れ原因になります。
 必要に応じて内袋(インナー)や保護材を併用してください。

 

フレコンバッグ吊り上げ時の注意

吊り上げ時は、フレコンバッグの破損や転倒防止のため
 吊り方・姿勢・周囲確認が重要です。

 

  • 必ずフレコンバッグの吊りベルトを使用(横持ち・抱え上げNG)

  • ・フォークリフト・クレーンでゆっくり持ち上げる

  • ・吊りベルトに均等に荷重がかかる位置でセット

  • ・作業中は人がフレコンバッグの下に入らない

  • ・ベルトに損傷や切れがある場合は使用不可

吊り角度が急すぎると、フレコンバッグのベルトに負荷集中します。
 → 広い角度で吊り上げるのが基本です。

 

フレコンバッグの保管・屋外対策

フレコンバッグを保管する際の注意点です。

 

  • ・直射日光・風雨を避ける
    → 通常フレコンバッグは紫外線に弱く、劣化の原因に

  • ・屋外保管は耐候性フレコンバッグが安心

  • ・長期保管はブルーシートやカバーで養生

  • ・積み重ねはNG(倒壊・破損リスク)

  • ・立てて保管し、安定を確保する

屋外にそのまま放置すると、紫外線劣化により
フレコンバッグ破れ→落下事故の危険があります。

 

フレコンバッグ再利用時の点検項目

フレコンバッグは基本的にワンウェイ(1回使用)ですが、
 再利用する場合は必ず点検を行ってください。

1つでも劣化が見られる場合、フレコンバッグ再使用NG
 安全確保を最優先してください。

 

フレコンバッグの安全使用まとめ

 

  • ・上限荷重・容量を守る

  • ・吊りベルトに均等に荷重をかける

  • ・人がフレコンバッグの下に入らない

  • ・屋外保管は耐候フレコンバッグまたは養生

  • ・再利用時は必ず点検し、異常があれば新しいフレコンバッグへ

正しくフレコンバッグを使うことで、
現場の安全性と作業効率を高めることができます。

 

よくある質問(FAQ)|フレコンバッグの選び方・使い方

■ フレコンバッグで粉が漏れるときの対策は?

フレコンバッグに粉体を入れた際、生地の隙間から粉が漏れることがあります。
粉漏れ対策としては以下が有効です。

 

  • ・粉体用フレコンバッグ(二重構造)を使用

  • ・内袋付きフレコンバッグを選ぶ

  • ・ラミネート加工フレコンバッグで密閉性アップ

  • 排出口付きフレコンバッグで排出時のこぼれ防止

粉体・樹脂ペレット・細かな原料には、
粉漏れ防止フレコンバッグ(450Lタイプ)がおすすめです。

 

■ フレコンバッグは屋外でどれくらい保管できますか?


一般的なフレコンバッグは紫外線劣化が起きやすく、
 屋外保管では数ヶ月〜半年程度が目安です。
長期保管の際は、


  • ・耐候性フレコンバッグ(UV加工)

  • ・黒色フレコンバッグ


を使用すると安心です。
当店では「耐候性3年フレコンバッグ」を取り扱っています。
 災害備蓄や屋外ヤードでの保管に最適です。

 

■ フレコンバッグは何回再利用できますか?

フレコンバッグは**基本的にワンウェイ(1回使い切り)**です。
再利用する場合は、以下を必ず確認してください。

  • ・フレコンバッグの吊りベルトの摩耗・ほつれ

  • ・フレコンバッグ本体の破れ・裂け

  • ・底面の損傷

  • ・生地の白化(紫外線劣化)

  • ・内袋やコーティングの剥がれ

不具合がある場合は再利用せず、新しいフレコンバッグを使用してください。
安全第一が鉄則です。

 

■ 災害備蓄や防災用途におすすめのフレコンバッグは?

災害現場では、以下の用途でフレコンバッグが使われます。

 

  • ・災害廃棄物の一時保管

  • ・土のう代替として使用

  • ・瓦礫や土砂の仮置き・運搬

防災用途には、

 

  • ・耐候性フレコンバッグ(屋外長期保管用)

  • ・容量1,000Lタイプ

  • ・2点吊り/4点吊りタイプ

が推奨です。

特に**耐候性フレコンバッグ(3年耐候)**が人気です。

 

まとめ:用途に合ったフレコンバッグ選びで現場効率が変わる

フレコンバッグは、
同じように見えて仕様の違いで使い勝手・安全性が大きく変わる資材です。

 

  • ・容量(180L〜1000L)

  • ・形状(丸型/角型)

  • ・吊り方式(2点/4点)

  • ・投入口・排出口・反転ベルト

  • ・粉漏れ対策(内袋/2重構造)

  • 耐候性(屋外保管向け)

これらを正しく選ぶことで、

 

  • ・積載効率アップ

  • ・作業スピード改善

  • ・荷崩れ・破損リスク低減

  • ・現場の安全性向上

につながります。

特に、建設・解体・産廃現場では
1立米(1㎥)×耐荷重1tのフレコンバッグが基本
として、多用途に活躍します。 狭い現場や高比重物なら小容量・高耐久タイプも便利です。


用途に合ったフレコンバッグを選ぶことで、 “持つ・運ぶ・ためる”作業がスムーズになり、 現場のムダとストレスが減ります。あなたの現場にベストなフレコンバッグ選びで、 安全で効率的な作業環境をつくりましょう。

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